離乳期を過ぎると食べられるものの種類がぐんと増え、それとともに間食(おやつ)にお菓子や甘い飲み物を摂る機会が増えがちです。一度にたくさん食べられない乳幼児は間食で必要なカロリーを補います。
このとき、間食に砂糖を多く含む甘いものは、できるだけあげないほうがいいでしょう。
甘味は赤ちゃんのときから本能的に最も好む味なので、子どもが喜ぶからと早いうちから甘いものを与えてしまうと、子どもの甘味への欲求はエスカレートしやすくなります。特に味覚の安定していない3歳までに砂糖の多く入った甘いものを覚えさせると、甘いもの好きな子どもに育ってしまいます。
そうなると、「甘さ」をガマンさせて虫歯予防をするのは至難のワザです。
ご飯やお菓子、特に砂糖を含んだ甘いものを食べると、お口の中の虫歯菌の活動が活発になり、虫歯菌が酸を出します。歯は酸にとても弱いので、この酸によって歯が溶け始め、これが虫歯の原因になります。
食べ始めてから数分後には歯の表面からカルシウムなどが溶けだしていきます。
その後、唾液によって酸が中和され、歯の表面が元の状態に戻っていきます。(これを再石灰化といいます)。
しかし、おやつの時間を決めずに1日に何度もお菓子を食べたりジュースを飲んだりしていると、唾液が歯を修復する作用(再石灰化)が追いつかなくなり、そのつど歯は虫歯菌に溶かされて、虫歯が出来てしまいます。
虫歯が多い子どもには、お菓子やジュースの回数を減らすことが特に重要です。
しかし、いったん甘いもの好きになってしまった子どもに、急にお菓子を控えさせることはなかなか難しいことと思います。このようなお子さんには「シュガーレス」や「ノンシュガー」、「無糖」と表示されているものを選びましょう。
これらは砂糖の代わりにキシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、パラチノース、アスパルテームなどといった代用甘味料が使われており、虫歯菌が全く酸を出さない、もしくはほとんど酸を出さないために、虫歯になりにくい性質をもっています。
これだけでも虫歯リスクを減らすことができます。