おとなはすでに顎の骨の大きさや形ができあがってしまっているので、矯正治療を行う場合、土台はそのままの条件で、歯だけを移動して歯並びを治すしかありません。そのため、抜歯して矯正治療する確率も高くなります。それでもさらに治療が難しい場合は、顎の大きさや形を変えるために、外科手術が必要になる場合もあります。大掛かりな矯正治療になります。
子どもの矯正はただ歯を動かすだけではなく、成長発育を利用して、骨格の状態を改善することができます。 つまり、子どもの矯正(第1期治療)では、障害になっている悪い条件を改善することにより、土台である骨格の成長を正しい軌道に修正し、悪い方向に成長するのを未然に防いだり、骨格の問題を大きくしないようにすることができます。これが、子どもの矯正の最大のメリットなのです。また、歯の生え変わりも同時に管理していきます。 そして、おとなの歯にすべて生え変わり、顎の成長発育もほぼ終わったころ、必要に応じて仕上げ矯正(第2期治療)を行います。骨格的な悪い条件がほぼ改善した状態で歯並びの仕上げをすることができるので、抜歯する確率も低くなります。なかには、矯正の第1期治療だけで終了できる場合もあります。
子どもの矯正(第1期治療)は、前歯が生え変わった6〜7歳ごろに行うケースが多いですが、3〜4歳の乳歯のときから始めたほうがいい場合もあります。お子様の歯や骨格の状態により、矯正治療を開始する最適な時期はまちまちですので、気になることがありましたらその時点で一度ご相談ください。