虫歯予防で特に大切なのはフッ素をよく使うことです。フッ素は歯を強くして、虫歯になりにくくします。また、虫歯菌の活動を抑える働きもあります。
フッ素とは地球上のあらゆる動植物や水や大気に含まれる天然の物質です。私たちが毎日摂っているすべての食事にもフッ素は含まれています。ですから、虫歯予防にも適正な使い方をしていれば、摂りすぎて害になるということはありません。
●フッ素入り歯みがきペースト(はみがき粉)
最も一般的な家庭用フッ素の使い方です。現在売られている大部分の歯みがきペーストにはフッ素が入っています。最近では、子どもにとって歯磨きペーストは汚れを落とすためというより、フッ素を歯に作用させるために使うという考え方になってきています。
また、フッ素を長くお口の中に留まらせるために、うがいはごく少量の水で1回だけにするのがポイントです。
●フッ素ジェル
フッ素入りはみがきペーストで歯みがきをしたあと、さらにフッ素ジェルを歯に塗ると、ダブルのフッ素効果が得られます。フッ素ジェルを塗るのは夜寝る前が効果的です。または、ブクブクうがいのできない3歳ぐらいまでの子どもには、少量のフッ素ジェルだけで歯みがきするのもいいでしょう。
フッ素ジェルを使った後はなるべく軽く吐き出す程度にして、うがいをする場合もごく少量の水で1回だけにします。
●フッ素洗口剤
歯みがきをしたあと、フッ素洗口剤でブクブクうがいをします。
フッ素洗口剤は、いろいろなフッ素の中で最も虫歯予防効果が高いといわれています。ブクブクうがいがきちんとできるようになる3〜4歳以上の子どもにおすすめです。
一部の小学校などで行われていることもあります。
市販はされていないので、歯医者さんで購入します。
●スプレータイプのフッ素
フッ素の濃度がかなり薄く、他のフッ素と比べると効果は低いと思われますが、それほど歯ブラシを使う必要のない1歳ごろまでの乳児に使うのにはいいでしょう。
歯科医院で使用されるフッ素(高濃度フッ素)は家庭用のフッ素(低濃度フッ素)の約10倍〜20倍の濃度があります。
歯科医院用のフッ素は年に3回程度塗ると効果的です。
毎日のフッ素に加え、歯医者さんでも定期的にフッ素をぬってもらいましょう。まだ歯の弱い15歳ぐらいまでは、フッ素をぬることをおすすめします。