トピックス

  • 離乳食の月齢ガイドは"おおまか"に

    (2019年08月29日更新)

    赤ちゃんが母乳を飲むときのお口の動きを「乳児嚥下」、ごはんを噛んで飲み込む動きを「成人嚥下」と言います。乳児嚥下は生まれつき備わっている反射運動ですが、成人嚥下は離乳食を食べる過程で、後天的に学習して身に着ける動きです。通常、3歳ごろには成人嚥下を獲得します。
    小学生になってもお肉や葉物野菜を飲み込めないなど、成人嚥下を学習できず、乳児嚥下が残ってしまう子どもが増えています。原因はさまざまですが、主に離乳食の進め方に問題があるようです。離乳食のガイドや既製品の離乳食には、生後5~6用、7~8か月用と細かく区分がされています。しかし、お口の発達や歯の生え方は非常に個人差が大きいので、月齢にとらわれず、お子さんの発達を観察しながら進めることが大切です。

  • 前歯の色が1本だけ黒い

    (2019年07月16日更新)

    前歯が1本だけ黒ずんできたときは、歯をぶつけたことが原因かもしれません。いわゆる「神経が死んでいる」状態です。歯の中には神経(正式には歯髄という)があり、根の先端から血液の供給を受けています。衝撃を受けると根の先端の血流が途切れ、歯の中に古い血液が溜まります。すると、溜まった血液からヘモグロビンという色素が出て歯にしみこみ、歯が変色してしまうのです。
    乳歯でも永久歯でも起こりますが、小さなお子さんの場合、ぶつけた心当たりがなくても、お母さんが見ていないところでぶつけていることがあります。
    前歯の変色に気が付いたら、早めに歯科医院で診てもらいましょう。神経の処置が必要になる場合もあります。

  • 3歳までは、歯みがき1回でOK!

    (2019年06月07日更新)

    毎日格闘して大変!というお母さまも多いと思います。歯みがきを嫌がる子は口も開けてくれず、大暴れ。 そこで、3歳までは1日1回だけ磨けば大丈夫。アメやチョコレートなど、砂糖の多いお菓子を与えていなければ、まだお口の中の虫歯菌は多くありません。1日1回でも、時間をかけてしっかりと歯垢を落とすことが大切です。
    もう一つ大事なことは、フッ素配合歯みがき剤をつけること。量は米粒1個ぐらいにします。できればうがいはさせず、お口にたまったツバを吐き出すだけにしておきます。そうすることで、お口に残ったフッ素が歯を強くしてくれます。
    3歳を過ぎて、歯みがきを嫌がらなくなってきたら、1日2回以上磨くようにしましょう。

  • 仕上げ磨きは電動歯ブラシでラクラク!

    (2019年05月09日更新)

    電動歯ブラシはふつうの歯ブラシよりも、短時間でよりきれいに歯を磨けます。こんなに便利な道具があるなら、使わない手はないでしょう。面倒な子どもの仕上げ磨きも、電動歯ブラシがあれば、ラクしてキレイに磨けます。
    子どもにも使いやすいのは音波ブラシです。振動の強さが調整できるものであれば、「弱」にして小学校低学年から使えます。代表的なものは、フィリップスの『ソニッケアー』とパナソニックの『ドルツ』です。ブラシを付け替えれば家族全員で使えますので、私も家族で電動歯ブラシを使っています。
    また、子ども専用の『ソニッケアーキッズ』には、アプリが付属されています。スマホと歯ブラシを連動させ、アニメで楽しく磨ける工夫がされていますので、歯みがきが嫌いな子どもにもおすすめです。

  • 歯周病は悪い血を出すといいの?

    (2019年05月09日更新)

    歯周病で歯グキが赤く腫れているとき、歯みがきすると血がでますね。これは悪い血だから、歯みがきで出しちゃったほうがいい、と聞いたことはありませんか?でもこれって本当?
    おとなだけでなく、子どもも歯周病になりますが、歯グキが赤く腫れているのは、悪い血が原因ではありません。歯にたまった細菌のせいで、歯グキに炎症が起きているのです。歯に付いている白いネバネバしたものが細菌の集合体(プラーク)です。これを歯ブラシで落とせば、歯グキの腫れはおさまります。
    赤く腫れているので、歯みがきで多少血がでるのは仕方ありませんが、柔らかい歯ブラシで時間をかけて、やさしく丁寧に磨きましょう。細菌が減れば、歯グキの腫れは自然に治ります。フロスで歯の間をお掃除するのもお忘れなく。

  • 歯みがきでインフルエンザ予防

    (2019年02月14日更新)

    ご存知でしたか?インフルエンザ予防には「歯みがき」が大変有効です。
    インフルエンザウィルスが体内に侵入して増える仕組みは、
    ①ノドの粘膜に付いたインフルエンザウィルスが細胞内に侵入し、
    ②細胞内で増殖。増えたウィルスが細胞外に出て、次の細胞に侵入。
    この繰り返しで爆発的に増えていきます。
    近年、①《侵入》と②《増殖》の両方の過程で、口の中の細菌がかかわっていることがわかってきました。口腔内の細菌がインフルエンザの発症を手助けしていたのです。 歯を磨けば口腔内細菌は減りますので、よく歯を磨くことによって、インフルエンザを予防することができます。歯と歯の間は必ずフロスも使って清掃しましょう。また、舌の上にも細菌は溜まりやすいので、歯ブラシで優しく舌をこするのも効果的です。

  • 子どものデンタルフロスの使い方

    (2019年01月11日更新)

    歯ブラシだけでは、歯と歯の間は十分に磨けません。虫歯と歯肉炎の原因になるプラーク(歯垢)がどうしても残ってしまいますので、デンタルフロスを使うことが大切です。
    子どもにはY字型の柄がついたフロスが使いやすくておすすめです。糸がほつれるまで、洗って繰り返し使えます。
    1.のこぎりを引くように前後にゆっくり動かしながら、歯グキの下まで糸を入れます。
    2.片側ずつ上下に数回動かして、歯の側面をこすります。次に隣の歯も同様にこすります。
    3.フロスについた歯垢をふき取って、次の場所に移ります。

    乳歯の虫歯の大半は、歯と歯の間からできます。特に、奥歯と奥歯の間ができやすいところです。歯みがきを嫌がる子どもにフロスをやり忘れないよう、歯ブラシよりまず先にフロスを使うといいでしょう。

  • 76%が「日本人は歯並びが悪い」

    (2018年12月03日更新)

    日本に住む外国人100名に、日本人の歯並びに対する印象について聞いたところ、「日本人は歯並びが良い」と回答した人はわずか4%(4名)にとどまり、76%(76名)が「歯並びが悪い」と回答しました。日本に住む外国人が日頃から日本人の歯並びの悪さについて強く意識している様子が伺えます。
    欧米と比べ、日本人は特に歯並びが悪いと言われています。欧米の人も日本人も、もともと歯並びの悪い人の割合はほぼ同じです。生まれつき歯並びがいいわけではありません。欧米の多くの人は矯正治療をしているのです。

    【歯並びが良くない人の矯正治療率】
    日本 21.3%
    アメリカ 50.0%
    なぜこれほど日本人は矯正治療をしないのでしょうか?文化の違いや歯に対する健康意識に違いがあるのかもしれません。

  • 歯並びは舌や口唇の動きに影響される

    (2018年05月08日更新)

    歯並びは、舌や口唇、頬に取り囲まれて押された結果、できあがります。
    出っ歯でいつも口が開いている人は、出っ歯だから口呼吸をしているのではなく、口呼吸で口唇の筋肉が緩んでいるから出っ歯になったのです。
    お肉をいつまでも噛んでいてなかなか飲み込まず、しまいにはスジだけ出してしまう子どもがいます。これは、授乳するときの飲み込み方(乳児型嚥下)が卒業できないまま食事をしているので、お肉などは飲み込めません。この舌の動きも、さまざまに歯並びを悪くします。
    また、このような子どもは舌をもち上げて上顎に付けることができないので、滑舌が悪くなります。
    このように、歯並びは呼吸・嚥下・発音の結果、形づくられているので、矯正治療と一緒に舌のトレーニングが必要になることがあります。

  • 子どもの矯正はいつから?

    (2018年04月04日更新)

     矯正開始に最適な時期は、歯並びの種類によって異なります。

    1. 乳歯のうちに開始(5歳ごろ)
      【交叉咬合】上顎の歯並びがせまいために、下顎を横にずらして咬んでいる状態。放置すると下顎骨がゆがんで成長してしまうことがあるので、最も早期に矯正が必要な歯並びです。
    2. 前歯が変えかわったころに開始(小学校低学年)
    【反対咬合】受け口。下顎の前歯が上顎の前歯よりも前にある状態。乳歯のうちに矯正を開始する場合もあります。
    【叢生】前歯がガタガタ。
    【上顎前突】出っ歯。
    【開咬】上下の前歯がかみ合っていない。
    いずれの歯並びも上顎歯列が狭くなっている場合が多く、その原因は「舌」の動きにあります。そのため、矯正治療とともに、舌のトレーニングが必要になることもあります。

  • 硬いものを食べさせると、歯並びがよくなりますか?

    (2018年03月01日更新)

    歯並びが悪い現代人。その主な理由は、軟らかいものばかり食べているからです。軟らかいものを食べるとき、顎は軽い力で上下に動きます。この動きばかりしていると、歯は内側に倒れてくるため、歯並びが乱れます。
    硬いものや噛みごたえのあるものを食べると、より強い力で顎は左右に動き、歯をギシギシとすり合わせます。この顎運動をしていると、歯は内側に倒れずにまっすぐに維持され、歯並びがよくなります。
    では、どんなものを食べさせればいいかというと、江戸時代以前の食生活に戻す必要がある、ということがわかっています。ときどきおかずを工夫したぐらいでは、効果は期待できないでしょう。
    しかし、よく噛むことは虫歯予防や、その他さまざまな効用がありますので、やはりよく噛むことは大切です。

  • フッ素塗布は何歳まで行えばいいですか?

    (2018年02月05日更新)

    15歳まではフッ素を塗るといいでしょう。
    歯は「未成熟」な弱い状態で生えてきて、唾液中のカルシウムやリン酸などを取り込み、自然に強くなるまでに3年ぐらいかかります。この弱い時期は、歯の表面がフッ素を取り込みやすいので、フッ素塗布が有効です。
    いちばん奥の歯(親知らずを除く)が生えてくるのは12~13歳ごろです。それから3年ぐらい歯が弱い状態が続きますので、15歳までは年に2~4回、フッ素塗布をしてもらうといいでしょう。
    歯科医院や保健センターで塗る高濃度のフッ素に対し、歯みがき剤に含まれるのは低濃度のフッ素です。市販されている歯みがき剤の9割以上にフッ素が含まれています。低濃度のフッ素は薬ではなく、歯の健康を維持するための栄養(ミネラル)とされおり、一生使い続けることが大切です。

  • 仕上げ磨きは何歳まで?

    (2018年01月12日更新)

    子どもの歯みがきは、いつ頃から本人にまかせていいのでしょうか?
    小学1年生では、自分できちんと歯を磨くことはできません。中学1年生に親が磨いてあげるのは、ちょっと過保護に思われます。
    ところで、幼児は自分で洋服のボタンを留めることができません。これは、手や指の機能がまだ十分に発達していないからです。手指の動きは、「にぎる」→「つかむ」→「つまむ」のように、段階的に発達していきます。
    そして、手指の機能が完成するのは、だいたい8歳ごろと言われています。
    正しく歯みがきをするには、細かい手指の動きができなければなりません。そう考えると、子どもがひとりで歯みがきができるようになるのは9歳ごろと考えられます。 少なくても、9歳までは仕上げ磨きをしてあげましょう。

  • 良く落ちる!ワンタフトブラシ

    (2017年12月06日更新)

    ワンタフトブラシをご存じですか?筆のような形をした歯ブラシです。ふつうの歯ブラシでは届きにくい奥歯の後ろ面、歯が重なっていて磨きにくいところ、歯と歯グキの境目などに威力を発揮します。つまり、歯垢が溜まりやすいところをこれ一本ですべてカバーできます。
    子どもには、奥歯の溝や歯と歯グキの境に効果的です。特に、生え途中の6歳臼歯は背が低く、ふつうの歯ブラシでは届きにくいため、虫歯になりやすいところです。ここにワンタフトブラシを使うと、歯垢をしっかりと落とせます。

    《子どもの効果的な仕上げ磨き法》
    ①まず最初に、上顎の前歯や、奥歯の歯の間をフロス(糸ようじ)で磨きます。
    ②次に、歯と歯グキの境目と奥歯の溝をワンタフトブラシで磨きます。
    ③最後にふつうの歯ブラシで、残りの歯面を磨きます。

  • 子どもは定期検診がとても大事

    (2017年11月10日更新)

    定期検診の目的は、虫歯を見つけるだけではありません。
    ①正しい歯みがきの仕方を習得します
    きちんと磨けているかをチェックしてもらい、年齢に応じた歯みがき法のポイントやフロスの使い方を教わります。
    ②生えかわり、歯並び、咬み合わせの診査をします
    矯正が必要な場合でも、いつから矯正治療を始めたらいいのかがわかります。
    ③虫歯をきちんと診査します
    幼稚園や学校の歯科検診は、大まかなスクリーニング検査なので、すべての虫歯がわかるわけではありません。特に、乳歯の虫歯の多くは歯と歯の間にできやすいため、レントゲンでなければ見つかりません。また、乳歯の虫歯は痛みを伴わずに早く進行するため、大きくなるまで気が付かないこともあります。
    お子さんの歯の成長を見守る大切な機会として、3~4か月に一度、定期検診に行くことをおすすめします。

  • 矯正のために永久歯を抜歯しても大丈夫?

    (2017年08月29日更新)

    矯正治療の際に、どうしても永久歯を抜歯しなければならない場合があります。
    ①ひどくでこぼこした歯並び(乱杭歯)
    ②歯のサイズが大きい
    ③上顎または下顎の骨格が前後にずれている
    【①・②の場合】仮に抜歯をせずに歯を並べると、顎の大きさに対して歯並びが拡がりすぎてしまい、口元も前に出てしまいます。これでは、見た目にも歯の健康にも良くありません。
    【③の場合】もし抜歯せずに治療すると、でこぼこは治っても、きれいに並んだ「出っ歯」や「受け口」になってしまいます。これを補正するには、歯を抜いて前後のずれを治す必要があります。
    また、通常、抜歯をするのは小臼歯という歯です。小臼歯は上下左右で2本ずつ8本ありますので、仮に1本ずつ4本を抜いても、物を噛むことにまったく支障はありません。

  • 10人に1人は永久歯が足りない

    (2017年08月01日更新)

    日本小児歯科学会の調査により、子ども10人に1人の割合で、永久歯の先天性欠如が起こることがわかりました。生まれつき、永久歯が1本以上無いのです。その歯は永久歯に生え変わらず、乳歯のまま残ります。
    しかし、通常、乳歯が一生もつことはありません。おとなになってから、いずれは抜けてしまいます。そうなれば、入れ歯、ブリッジやインプラントを入れなければなりません。
    それを防ぐには、生え変わらない乳歯を子どものうちに抜歯し、できたすきまを矯正治療でつめることです。入れ歯やインプラントが不要になり、自分の歯だけで噛めるようになります。さらに、歯並びも良くなって、一生涯歯を健康に保つことが容易になります。
    永久歯の先天性欠如があるかどうかは、レントゲンで診査します。7歳ぐらいになれば、ほぼすべての永久歯ができていますので、はっきりと診断できるようになります。

  • 食後30分は歯みがきしないほうがいいの?

    (2017年07月13日更新)

    食事やおやつを食べると虫歯菌が酸を出すので、お口の中が酸性になります。
    唾液が酸を中和するのに約30分かかりますので、その間は歯の表面が酸でやわらかくなっています。この状態で歯みがきをすると、逆に歯を傷つけてしまうのではないか、という噂を耳にします。
    この噂のもとは、某テレビ番組で紹介された「酸蝕症」の実験結果だけがひとり歩きして、誤解を招いていると言われています。実験では、歯の象牙質を炭酸ジュースに浸していましたが、実際の歯の表面は硬いエナメル質に覆われているので、簡単に溶けたりはしません。それに、虫歯と酸蝕症とは別の問題です。
    虫歯予防には、従来から言われているように、食べたら早めに歯を磨くことが有効です。 すぐに磨けないときは、うがいをしたり、お茶を飲んだりするだけでも効果があります。

  • 子どもに口臭があるのですが、原因は何ですか?

    (2017年05月29日更新)

    口臭は口の中の細菌が臭い物質を出すことで発生します。普段は唾液の抗菌作用により、抑えられています。また、口臭は生理的口臭と病的口臭に大別されます。
    生理的口臭は、主に唾液の量が少なくなっているときに発生します。起床時や緊張しているときは唾液の分泌量が減っているので、誰でも多少は口臭があります。
    病的口臭とは、歯周病や大きな虫歯などによる口臭のことです。特に、歯周ポケットに潜んでいる歯周病菌は強い臭いを発生します。また、舌苔(ぜったい。舌の表面に溜まった細菌や汚れ。舌が白っぽく見える。)が溜まると口臭の原因になります。
    子どもで起床時以外にも口臭が気になる場合、主な原因は歯垢です。歯垢は食べカスではなく、細菌の塊です。この細菌が臭い物質を出しています。必ずフロスも使って、よく磨くことが大切です。

  • 歯ブラシはどれぐらいで交換すればいいの?

    (2017年05月08日更新)

    歯ブラシを後ろから見たときに、毛先が開いて横から毛がはみ出してきたら、新しいものと交換しましょう。1か月に1度ぐらいが目安です。
    歯垢がいちばん付きやすいのは、歯と歯グキの境目です。ここは歯ブラシの外側の毛で磨きます。そのため、開いた歯ブラシでは外側の毛先が歯面に当たらず、十分に歯垢を落とすことができません。
    1~2歳の子どもは歯ブラシを噛んでしまって、すぐに毛が開いてしまうことがあります。この場合も新しいものと交換します。
    3歳~小学校低学年までは、本人磨き用と仕上げ磨き用を分けるといいでしょう。この年齢は、まだ狙った場所にキチンと歯ブラシを当てることができません。しかし、習慣づけという意味でも、はじめに自分で磨かせることが大切です。

  • ストロー付マグは1歳まで

    (2017年04月01日更新)

    赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲むとき、おとなが食べ物を飲み込むのとは全く違う口の動きをしています。乳首をお口の奥まで引き込んで、口を開けたまま、舌を前に出した状態で、吸うようにして飲み込みます。これを「乳児嚥下」といいます。
    生後6か月ごろから3歳までは、お口の成長とともに、離乳食が教材となって、おとなと同じ「成人嚥下」の仕方を学習します。この期間に成人嚥下を獲得しないと、その後は自然に覚えることが出来なくなります。
    成人嚥下の学習を妨げる要因はいくつかありますが、その一つが離乳の遅れです。遅くても1歳6か月までには離乳しておいたほうがいいでしょう。同様に、ストロー付きのマグカップも乳児嚥下をさせて成人嚥下の学習を妨げますので、1歳になったらストロー付マグの使用を止めて、コップから飲ませるようにしましょう。

  • 炭酸水は歯に良くないの?

    (2017年03月02日更新)

    炭酸水は水に二酸化炭素が含まれているだけなので、歯が悪くなることはありません。 飲み物による歯への悪影響には、①酸蝕症 ②虫歯 の2つがあります。歯は酸に弱いので、酸性の飲み物を頻繁に飲んでいると、歯が溶けてしまうことがあります。これを「酸蝕症」といいます。
    炭酸ジュースは非常に酸性度が高く(pH2.2)、日常的に頻繁に飲んでいると酸蝕症になってしまう可能性があります。また、ペットボトル1本の量で、角砂糖15個分もの砂糖が入っているので、たいへん虫歯になりやすい飲み物といえます。
    では、何も添加されていない炭酸水はどうでしょうか?ヨーロッパ産のミネラルウォーターには、はじめから炭酸を含んだものもあります。炭酸の影響で弱酸性(pH5)ではありますが、この程度なら唾液ですぐに中和されます。歯への影響はほとんどありません。糖分も入っていないので、虫歯になる心配もありません。

  • 虫歯になりにくい子の育て方

    (2017年01月05日更新)

    虫歯菌(ミュータンス菌)は3歳までに、主に母親から子どもにうつります。気を付けていても8割の子どもはうつってしまいます。
    しかし、感染しただけで虫歯になるわけではありません。
    では、虫歯になりにくい子に育てる一番のポイントは何でしょうか?それはズバリ、
    3歳まで虫歯菌を増やさないようにする」ことです。
    3歳までに虫歯を作ってしまうと、その後も虫歯になりやすくなることがわかっています。そこで、それまでにすべきことは、
    ①感染源である母親が、必ず毎日フロス(糸ようじ)も使って自分の歯をよく磨く。
    ②1歳半までに卒乳する。
    ③子どもが嫌がっても、しっかりと歯みがきをしてあげる。
    ④米粒1個ぐらいの量でいいので、フッ素入り歯みがき剤をつけて歯みがきする。
    ⑤3歳まではアメ、チョコなどの虫歯になりやすいお菓子や、乳酸菌飲料などを極力ひかえる。

  • そもそも歯並びが悪いままだと、なぜいけないの?

    (2016年11月30日更新)

    歯並びが悪いと生涯にわたり、健康な歯を保つことが難しくなります。
    80歳以上で28本すべての歯が残っている人は、ほぼ例外なく「歯並びのいい人」だったという研究報告があります。
    日本人は歯周病になっている人が多く、40歳以上の約8割の人は、多少なりとも歯周病になっていると言われています。
    咬み合わせが悪いと噛んだときに一部の歯に負担がかかります。歯周病は過重な負担がかかっている歯から進行します。
    歯を失う原因の第一位は歯周病です。歯並びが良いことは、一生健康な歯を保つために必要な条件なのです。